色はなぜ見えるのか
Introduction
弊学が主催する夏休み薬学教室(小学生コース)にTAとして参加しました.内容は野菜から色素を取り出して,色が目に見える仕組みを物理的に学ぶ実験でした.
Methods
- 赤パプリカを適当な大きさに切り,試験管に加えた.
- 試験管にエタノール Ethanol を加え,赤色色素を抽出した.
- 抽出液を紫外可視分光光度計(gene quant1300)を用いて波長380–780 nmの吸光度 Absorbance および透過率 Transmittance を測定した.
Results and Discussion
吸光度は約400 nmの波長に大きな吸収が見られた(Fig. 1).
透過率は約600 nmの波長の透過率が大きかった.一方,約400 nmの波長の透過率は0に近かった.
400 nmの波長は可視光で青色である(Fig. 2).つまり,吸光度の結果から赤パプリカの赤色色素は青色を吸収することが考えられる.そのため,透過率が0に近かった.
600 nmの波長は可視光で赤色である.つまり,吸光度および透過率の結果から,赤パプリカの赤色色素は赤色を吸収しないことが考えられる.
以上の結果から,赤パプリカは青色を吸収し,赤色は吸収しないことが明らかとなった.そのため,赤パプリカは色が吸収されない赤色が実際に目に見えたことが考えられる.このことから,普段目にする色は吸収されなかった色を見にしていることが示唆された.
Refarence
[1]色の見方、見え方 | 基礎編 | TOYO INK 1050+(2022年7月27日現在)
あとがき
物理的に色が見える仕組みは説明できるのですが,実際頭ではよく分からんってなります.色が吸収されて吸収されなかったところが見えるってなんか不思議ですよね.小学生には難しい内容だと思ったのですが,一部理解できた子もいたのでその子は秀才だなと感じました.